どんなに献身的に介護をしても愛犬との生活には必ず別れが訪れます。ペットロスとは、愛犬を失った後に、「悲しい」「寂しい」という心理的な影響が現れ、徐々に心理的に大きなストレスに発展し、ついには眠れなくなったり食欲がなくなったり身体的影響が現れることもあります。症状がひどくなると外出が難しくなったり、人に会うのが嫌になったり、仕事や学校に行きたくない、いけないなどの社会生活に影響することもあります 。今回はそういったペットロス症候群になってしまった場合に、どう向き合えばいいのか考えていきたいと思います。
もくじ
ペットロスの症状
感情的反応
「悲しい」「寂しい」だけでなく自分だけが置いて行かれたという孤独感や、その孤独感が怒りという異なる感情として現れてしまうこともあります。また自分自身の責任でペットが死んでしまった罪悪感として現れてしまうこともあります。
認知的反応
亡くなった事実は分かっているにもかかわらず本気で否定してしまう。本人に虚偽の自覚はなく大切な存在を失ってしまったストレスから自分自身を守るため自己防衛反応と考えることができます。
身体的反応
失った悲しみから食事が喉を通らなくなったり逆に過食になってしまったり摂食障害へとつながる可能性があります。また眠れなくなる音に敏感になる息切れのような症状が出てしまうこともあります 。
ペットロスになる原因
愛犬に対する過度な依存
ペットロスになる要因の一つとして愛犬に対する過度な依存が考えられます。 愛犬に対して「自分がいないとダメだ」と自分の必要性を過度に感じ、飼い主が一方的に愛着の度合いを強めている場合やその延長として愛犬の世話をすることが生きがいとなり愛犬がいない日常が考えられなくなってしまっていると依存状態にあると言えます。
愛犬と飼い主の関係がこうしたよじれた心理関係にある場合、愛犬がいなくなってしまったことをきっかけに感情的反応や認知的反応あるいは身体的反応を引き起こす可能性が高くなります 。
愛犬に対する後悔の念
ペットを失う理由は様々です。病気なら「もっと早く気付いてあげればもっと長く一緒にいれたかもしれない」事故なら「もっとしっかりリードをつないでいればあんな目に合わせることはなかったかもしれない」といった後悔の念がもとでペットロスを引き起こす可能性も考えられます。 責任感の強い飼い主さんによくあるペットロスの原因の一つです。
ペットロスとの向き合い方・ 乗り越え方
どんなにペットロスについて深く理解していても、愛するペットを失ったという現実に直面したときに悲しみから逃れることはできません。
愛犬を失った時はとにかく思いっきり泣いてください。人目を気にしたり我慢をするのは毒です。タイミングを逃せば涙が出なくなることもあります。
泣くという行為は心の中にある悲しいという感情を体の外に出す働きがあります。一回思いっきり泣けば通常の生活に戻れる人もいれば、一週間、一か月と泣き続けてもなかなか悲しみから抜け出せない人もいます。 でもそれでいいのです。無理に自分の感情を隠そうとすると変な方向に向いてしまう可能性が高くなってしまいます。
愛犬はそれだけあなたにとって大切な存在だったのです。飼い主にそれだけ愛されて愛犬もきっと幸せな一生だったことでしょう。
大切なペットと暮らした日々は二度と戻ってくることはありませんが、共に過ごした時間と楽しかった思い出はあなたが忘れない限り消えることはありません 。すぐには難しいかもしれませんが、少しづつ現実を受け止め笑顔を取り戻してください。きっと愛犬もそれを望んでいることでしょう。