
何時間も鳴き続けている姿をみていると気が滅入ってしまう・・・
しつけ本には「夜泣きは無視すべき」と書かれているけど本当に無視していいの?
なにかを訴えて鳴いているようにも思えるけどどうしたらいいかわからない。
原因がわかれば対策できるのに原因がわからないまま毎晩夜泣きが続き
睡眠不足でそろそろ体力の限界だ・・・
そんなふうに感じてはいらっしゃいませんか?
この記事では、そんな老犬の夜泣きに関してお悩みの方に向けて
愛犬の行動から原因を推測し改善する方法を提案させていただきます。
10分程度で読める本記事を最後までお読みいただければ、
明日から近所迷惑にビクビクしながら眠れない日々を
過ごさなくてもよくなっていることでしょう。
ぜひ、最後までお付き合いください。
もくじ
老犬の夜泣き(夜鳴き)の原因は?
老犬の夜泣きの原因はワンちゃんそれぞれで色々と考えられますが、主に以下の4つに大別できます。
認知症による夜泣き(夜鳴き)
獣医学やペットを取り巻く環境の進歩によりペットの高齢化が進み、犬にも認知症と呼ばれる症状がよく見られるようになりました。老犬の認知症の中でも特に飼い主に負担がかかる症状の代表格が夜泣きです。一晩中吠え続けている場合は、そのほとんどが認知症の症状だと言われています。犬はもともと夜行性で特に老犬は疲れやすいため昼間はほっておけばずっと寝続けてしまいます。それが原因で生活リズムがくるい昼夜逆転して夜中に目を覚まし徘徊や夜泣きにつながります。
床ずれや腫瘍、関節痛など体の痛みによる夜泣き(夜鳴き)
老犬になると体のいたるところに老化現象が現れ、痛みが伴います。飼い主さんが特に注意してあげたいのは床ずれです。基本的にワンちゃんは我慢強いため軽微な痛さで泣き叫ぶことはありませんが、老犬になって寝たきりになってしまうと数時間おきに寝返りを打たせないとすぐに床ずれができてしまいます。一度床ずれができてしまうと皮膚の壊死が進むためなかなか完治が難しくワンちゃんにとっては激痛が伴います 。
空腹やのどの渇きによる夜泣き(夜鳴き)
夜ごはんをあたえるのが早すぎたりすると空腹による夜泣きが起こることもありますが、老犬の場合はその他にも気をつけておかなければならないことが多々あります。たとえば認知症を患っている場合は食べても食べてもすぐに食べたことを忘れて満足できず食欲異常を起こすことがよくありますし、認知症のほかにも脳腫瘍やホルモン異常、糖尿病などを患っている場合も食欲異常が起こる可能性があります。そういった病が原因で極度の空腹やのどの渇きを感じて夜泣きをすることの方が多いので注意が必要です。
トイレなど排泄を要求する夜泣き(夜鳴き)
ワンちゃんは人間が思っているよりも綺麗好きです 。老犬になって足腰が弱くなってくると生殖器周りの筋肉も衰え排泄のコントロールができなくなります。我慢ができなくなると必然的にトイレの失敗が増え、ワンちゃんもダメだとわかっているのに体が言うことをきかないことから大きなストレスを抱えてしまい結果的に夜泣きにつながります。
見えない、聞こえない不安感、恐怖感による夜泣き(夜鳴き)
怖がりのワンちゃんや甘えたのワンちゃんによく見られます 。病気でもなく認知症の症状もない、トイレやおやつを与えてもいつまでも鼻を鳴らすような夜泣きをする場合は目がちゃんと見えているか耳がちゃんと聞こえているかを確認してみてください。犬は嗅覚だけで生活はできてしまうので見えていない聞こえていないというのは見落としがちになります。見えていない聞こえていない場合はその不安や恐怖感によって夜泣きをしている可能性があります。
寝床の不快感、落ち着く場所がないことによる夜泣き(夜鳴き)
今までお部屋で放し飼いにしていたようなわんちゃんでも老犬になってくると五感が衰えてくるので飼い主さんを近くに感じられず落ち着く場所がないことが原因で不安感や恐怖心から夜泣きをすることがあります。また、シニア期から老犬になっていくにつれて気温や湿度の変化に対応するのが辛くなってきます。特に寒暖差の激しい春や秋は体調を崩しやすく不快感から夜泣きをすることもありますので寝床の温度や湿度には注意が必要です。
老犬の夜泣き(夜鳴き)の対処法は?
まずは夜泣き(夜鳴き)の様子を動画などで記録する
先に挙げた通り、夜泣きといってもいろいろな原因が考えられます。吠え方や吠える時間、吠え以外の行動、わんちゃんを取り巻く環境など総合的に見て判断する必要があるのでまずはどういったタイミングで夜泣きが起こるのかじっくり観察する必要があります。この段階で飼い主さん一人で原因を決めつけてしまうのは危険なので必ず動画を撮って記録するようにしてください。
動物病院で獣医さんに診てもらう
老犬の場合は病気が原因で夜泣きをしている可能性が高く動物病院で診てもらわない限りしっかりとした原因を特定することができません。病気の発見が遅れれば命に関わるケースも少なくありませんので夜泣きをしたときの動画や記録をもってまずは信頼できる獣医さんに診てもらってください。
重度の認知症、痴呆症を患っている場合
生活リズムをあたえる
動物病院で重度の認知症と診断された場合、残念ながら現在の獣医学では根本的な治療法はありません。朝昼を寝て過ごすことのないよう日向ぼっこや散歩などにつれ出し病院であたえられた睡眠導入剤などをあたえて夜目覚めないように生活リズムをつけてあげることを意識しましょう。
生理的な欲求にこたえる
しつけ本には「要求吠えは相手にしてはいけない」などと書かれていることもありますが、相手が老犬でかつ認知症の場合は、要求吠えを無視してもあまり意味はありません。
そもそも認知症を患っている場合は何を要求しているのかさえ分からないことも多いですが、まずはトイレや食事、水分補給など生理的な欲求を満たしてあげるよう努めてください。
声をかける、撫でる、そばで寝る
なにをしても泣き止まない時は声をかける、撫でる、そばで寝るなどとにかくワンちゃんに飼い主さんの存在を感じさせてあげてください。ワンちゃんの精神状態を落ち着かせるには犬用のアロマなどもおすすめです。バジルやゼラニウムブルボン、レモングラスなどは気持ちを静め精神を安定させる作用があると言われています。
比較的軽度の認知症、痴呆症を患っている場合
知育おもちゃを使って頭を使う練習を
認知症の症状が比較的軽度な場合はできるだけ症状の進行を遅らせてあげることが重要になってきます。犬は基本的に学ぶことが大好きで老犬になってもそれが変わることはありません。遊んであげるときに少し頭を使わせることを意識してあげてください。おやつをかくすおもちゃなんかがおススメです。
サプリメントで栄養を
EPAやDHAはオメガ3脂肪酸に含まれる栄養素ですが犬の認知症にも多少は効果があると言われています。ただし研究は無数に行われており効果があったとするものもあれば全くなかったというものもあり脂肪酸が犬の認知機能を改善したかどうかははっきりとわかっていません。あくまで栄養の補助的なものとしてお考え下さい。
腫瘍や関節痛など痛みを伴っている場合
ワンちゃんによって対処の仕方が変わります。動物病院では場合によってはワンちゃんにあった装具なども用意してくれるので素人判断で行わず、必ずかかりつけの動物病院の獣医さんに指導してもらってください。