愛犬のクレートトレーニングについてお悩みの飼い主さんは多いのではないでしょうか。
クレートトレーニングは子犬のころに行うのが理想ですが、比較的簡単なしつけなので成犬になってからでも大丈夫です。子犬に比べ時間がかかりますが決して不可能ではありません。
そこで今回は子犬から成犬までしつけることができる正しいクレートトレーニングについて解説します。
この記事をお読みいただくことで正しいクレートトレーニングの知識が身につき、実践いただくことで災害時や旅行など外出するときも一緒に移動できる愛犬に育ってくれることでしょう。
10分程度で読める内容となっております。
もしよろしければお付き合いください。
もくじ
成犬でもクレートトレーニングを成功させるコツはたったの2つ
無理に押し込めたり閉じ込めたりしない
無理に押し込めたり閉じ込めたりすると、その恐怖から二度と入ってくれなくなります。成犬で過去にクレートに対するトラウマがある場合はかなり根気がいるトレーニングになりますので覚悟が必要です。
クレートの中でイイことが起こる印象を与える
しつけの基本ですが、何も起こらないのに自発的に人間が思う行動をとってくれるようになるわんちゃんは稀です。
犬のクレートトレーニングを成功させるための環境
寝室とトイレは分ける
ケージの中にトイレトレーとクッションなどを一緒に置いてトイレと寝室を一緒にしているケースが散見されますが、しつけの観点からみればおすすめできません。
ワンちゃんは寝室に排泄物があることを嫌いますのでトイレと寝室を一緒にするとストレスを与える原因となります。
ストレスから「食糞」を覚える原因となってしまう可能性もありますので絶対に一緒にしてはいけません。
サークルをトイレとして使う
サークルをトイレとみたてて、サークル内全体にペットシートを敷いておきます。
食事のあとなど、排泄のタイミングを見計らってワンちゃんをサークル内に移動させます。(子犬の場合は3時間おきにサークル内に移動させます。)
サークルに入れたら「ワンツー、ワンツー」と掛け声をかけてあげてください。移動させた後はトイレをするまで出してはいけません。
トイレを済ませたらすぐにご褒美(おやつやフード)をあたえて「ここでトイレをしたらいいことが起こる」ということを犬に理解させてあげてください。
クレートを寝室(巣)として使う
「狭いから可哀そう、広いところに入れてあげよう」
「暗いから電気をつけてあげよう」
優しい飼い主さんの中にはたまにこういった勘違いをされていらっしゃる方がおられますが、犬は元来、狭くて暗いところを好む習性があります。
ですから、寝室は無駄に大きい場所を用意する必要はありません。画像のようなクレートが最も適しています。
サイズの目安としては、中で立ってクルクルっと一周できるぐらいの広さがベストです。
使い慣れていないワンちゃんの場合は、クレートに入るところからしつけないといけないので必ず画像のような上と下で切り離しができるタイプのクレートを選んでください。
クレートトレーニングの進め方
- まずはクレートの天井部分を開けてクレートの下半分だけを使用します。
- 「ハウス」など音声コマンドを発しながらおやつやおもちゃなどでクレートに誘導し、クレートに入ったらご褒美を与えます。
- 喜んで入ってくるようになるまで何回も繰り返します。
- 入ってくるようになったら天井部分を取り付けて再度おやつなどで誘導します。
- また喜んで入ってくるようになるまで何回も繰り返します。
- 入ってくるようになったら扉をつけます。(まだ扉を閉めてはいけません。はじめのうちはご褒美をもらったらすぐ出ようとする子も多いのでこの段階では扉を閉めないでください。)
- 中に入ってお座りをしたり落ち着いた感じが確認出来たら扉をゆっくり閉め、扉を閉めたと同時におやつをあたえます。(扉を開けたときにおやつは与えてはいけません。扉を開けたときにおやつを与えると早く出たがってしまいます。)
- 扉を閉める時間ははじめは10秒程度で構いません。徐々に扉を閉める時間を延ばしてください。
- 5~10分程度、大人しくできるようになったら布をかぶせます。布をかぶせると同時におやつを与えてください。
- 布をかけておく時間はランダムにします。
このようにトレーニングを進めていただければ最終的に数時間大人しくできるようになります。
クレートトレーニングの注意点
クレートトレーニングの注意点として、扉を閉めてからはクレート内で鼻を鳴らしたり騒いでも絶対に外に出してはいけません。
扉を開けて外に出す時は必ず中で大人しくしているときにしてください。
鼻を鳴らして扉が開いたという経験をさせてしまうと、クレート内で我慢できない子になってしまいます。
鼻を鳴らしたり騒いだら一貫して無視を貫いてください。
あまりにうるさい場合はクレートを揺らしたり軽くたたいて鼻を鳴らしたり騒ぐのをやめるきっかけを与えます。
「うるさい!シッ!」など声をかけると相手をしてくれたと勘違いをするので声はかけないでください。
このようにして鼻を鳴らしたり騒いでも無駄だという体験をさせることで要求しないようになります。
犬のトイレのしつけもクレートトレーニングから
「トイレを覚えさせるのにクレートに入るところからしつけるなんて面倒だ!」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ワンちゃんがクレートに入ってくれるようになればメリットがたくさんあります。
- 車や公共交通機関での移動のとき
- 入院時やペットホテルに預けるとき
- 災害時の共同生活を余儀なくされたとき
このようにクレートでの生活に普段から慣れさせておけばいざというときに非常に役立ちます。必ずトレーニングは行っておいてください。
トイレトレーニング時の注意点
まだトイレのしつけが完璧でないうちからいきなりお部屋にわんちゃんを放してはいけません。
必ずトイレをさせてからお部屋に放すよう習慣にしてください。こうすることで失敗を防ぎます。
おしっこを済ませていても時間差で大便をすることもあります。
排便時の仕草がみられたらすぐにトイレに移動させる必要もありますのでお部屋に放しているうちは飼い主さんは目を離さないようにしましょう。
たとえ30秒でも目を放す時は必ずクレートに戻してください。
トイレの失敗は叱り方を誤ると、かまってもらえてると勘違いして粗相を繰り返す癖がついてしまう場合がありますので「そもそも失敗させない」ということが非常に重要です。
クレート(寝室)からサークル(トイレ)までの移動
寝室からトイレまでの移動は、はじめは抱っこでつれていきます。
しばらく繰り返してトイレサークルに入ってすぐにトイレをするようになったら抱っこをやめてリードをつなぎ、おやつなどでトイレに誘導します。
上手くトイレサークルに入ったら一旦ご褒美をあげてください。
[寝室クレートから出たらトイレサークルに行く⇒ご褒美]というパターンを繰り返し体験をさせることで、自発的にクレートから出たらトイレサークルに向かうようになります。
3時間以上、目を放す時はどうするの?
3時間以上ワンちゃんから目を放す時は、サークルとクレートの扉を外して、入口と入口をくっつけ、自分でトイレと寝室の行き来ができるようにしておきます。
夜中はどうするの?
子犬が排泄を我慢できる時間の目安は月齢+2時間です。つまり、生後2ヶ月だと2+2で4時間。生後4~5ヶ月にもなると7時間程度は我慢できるようになります。
子犬の場合は前述同様、サークルとクレートをくっつけて対処してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
サークルの中でトイレと寝室を一緒にされている飼い主さんは意外と多いです。しかし、これまでに説明してきた通り、トイレトレーニングにおいてはおすすめはできません。
トイレと寝室を一緒にされている方にお話しを聞くと、「トイレをしたいときにできるようにしといてあげないと可哀そう」といった意見が多いのですが、ワンちゃんは基本的に寝室に排泄物があることを嫌いますのでケージ内にトイレトレーがあるだけで逆にストレスにもなります。
もし、トイレと寝室を一緒にされている方は離してあげることをおすすめします。