保護犬については「なんとなく知ってるけど詳しくは知らない」あるいは「問題のある犬猫が収容されているから選択肢に入れていない」など偏見を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
日本では毎年数万頭の犬猫が殺処分されています。ペットショップの売れ残り、飼い主の飼育放棄、飼い主が亡くなったペットなど理由は様々です。しかし、どんな理由であろうとも結局は人間の身勝手な都合で繁殖させられ一方で殺処分されているということに違いはありません。
近年では殺処分ゼロを掲げる自治体も増えており、
- 収容数を減らす
- 正当な理由がない引き取りの拒否
- 野良猫野良犬の去勢避妊
- 譲渡会の開催
などさまざまな活動が行われています。
そういった活動のおかげで殺処分の数は年々減少傾向にありますが、今もなお、保健所に送られた犬猫の約7割は殺処分されているという現実があります。
そこで今回はもっと多くの人に「身近で譲渡会が行われている」ということと、「保護犬や保護猫を引き取るとメリットがたくさんある」ということを知っていただくために記事を書きました。
保護犬を迎える方は近年増加傾向にあり、芸能界でもローラさん、滝川クリステルさん、岩城滉一さん結城アンナさん夫妻、皇室からは愛子様などなど多くの著名人も保護犬を家族に迎え入れています。
あなたもペットショップで犬猫を購入する前に一度検討されてみてはいかがでしょうか。
もくじ
保護犬・保護猫の里親になるメリット
高額な購入費用はかからない
ペットショップやブリーダーから購入する場合は高額な生体費用が必要ですが、譲渡会で犬猫を譲り受けるときは基本的に生体費用は無料です。
ただし、譲渡会を行っている団体によって寄付金が必要だったり予防接種や去勢避妊の費用などが必要なところがあります。
事前にしっかりと確認し団体のポリシーに納得のうえで譲渡会に参加されることをお薦めします。
トライアル期間がある
譲渡会で犬猫を引き取るときはほとんどの場合、トライアル期間が設けられています。この期間を利用して犬の性格を見極めることができますし、飼い主とその家族が動物アレルギーを引き起こさないかテストすることもできます。
ペットショップなどではこういった期間が設けられておらず家に迎えてから「性格が合わない、こんなはずじゃなかった」「犬アレルギーがでて世話ができなくなった」といったリスクが存在しますが、保護犬や保護猫を引き取る場合はそのリスクを極力減らすことができます。
殺処分されてしまう命を救うことになる
一度保護されたとしても、生きている以上は世話をするのにお金がかかります。なので一定期間、引き取り手が見つからなければ殺処分されてしまうのが現実です。
保護犬や保護猫を迎えるという事はその殺処分から命を救うことでもあり、その行動が積み重なってペット業界の在り方をかえていく礎となります。
健康状態を把握したうえで迎えることができる
犬や猫は先天性の疾患をもっていることも少なくありません。原因は知識の乏しい繁殖業者がお金儲けだけを重視し、先天性疾患のリスクを高めるような繁殖が行っているケースが多々あるためです。(この繁殖業者に問題があることは朝日新聞でも報じられています。https://www.asahi.com/articles/ASM1Q449PM1QUTFL006.html)
生後3ヶ月から半年ぐらいまでのペットショップなど置かれている犬猫ではこの先天性疾患が見つかりにくいことが多く、家に迎えてから疾患が判明してトラブルになるケースが後を絶ちません。
その点、保護犬や保護猫はある程度育っている犬猫が多くしっかりと健康診断も行われていますので、なにかあっても事前に把握でき、家に迎えてから疾患が判明するというリスクは避けることができます。
保護犬・保護猫の里親になるデメリット
デメリットはありません。
⇒たしかに幼いころに社会化や一定のしつけをする方が有利ですが、それでもある程度しつけには正しい知識と根気が要ります。それに、成犬になってからでも根気よくしつければ学習する犬もたくさんいます。「子犬じゃないから」という理由でしつけができないという方の多くは、しつけがかんたんにできるものと考えておられる場合が多く、しつけについて腰を据えて勉強する心構えがないので子犬でもしつけに失敗します。
⇒噛み癖は犬種にも左右されます。例えば飼いやすいと言われる柴犬も、もともと狩猟犬なので気性が荒く生後5カ月頃から成犬になるにつれて噛み癖がでることがあります。保護犬か保護犬じゃないかは関係ありません。むしろ保護犬だと噛むか噛まないかもうすでに分かってるという点で飼う側からすればメリットになります。また、噛み癖などの問題行動をしつけなおして譲渡する団体もあります。
⇒ペットショップやブリーダーから購入しても健康状態が悪いこともあります。ペットショップに並んでいる犬や猫は当然ですが健康状態には良好にチェックが入っているでしょう。でも前節でもお伝えしたように無理な繁殖による先天性疾患や犬種特有の病気は生後半年以上経過しないとわからないことも多く、ペットショップに並んでいる犬が安全というわけではありません。健康状態が悪い犬がペットショップに並んでることもあるのです。譲渡犬、譲渡猫に限りません。健康状態が悪いと知らずに迎えるのと健康状態が悪いと知って迎えるのとでは雲泥の差があります。つまり、健康状態が悪いと事前にわかる保護犬や保護猫は飼い主にとってむしろメリットなのです。
このようにいろいろデメリットとして安易にメディアに取りだたされることがありますが、すべて偏見です。むしろ保護犬や保護猫の方が飼い主は「こんなはずじゃなかった」というリスクを減らせることが多くそれがメリットなのです。
たしかに保護犬や保護猫は成犬、成猫やシニア犬シニア猫が多い傾向にありますが、成犬やシニア犬には成犬やシニア犬のいいところがありますし、デメリットとは言えません。そして、当然ですが保護犬や保護猫の中にも子犬や子猫もいます。お利口な子もたくさんいます。なので噂や偏見で判断するのではなく実際に譲渡会などに足を運んでみてください。必ず気になる子がいるはずです。
保護犬や保護猫の譲渡支援を行っている地方公共団体
保護犬や保護猫の譲渡会や譲渡支援は地方公共団体が行っているものと一般社団法人やNPO法人などの民間団体が行っているものがあります。地方公共団体が行っている譲渡支援は保健所が行っており、飼い主のいない犬猫が一定期間収容され里親が見つからなかった場合は殺処分されます。あなたの力で一つでも多くの命を救ってあげてください。
- 札幌市動物管理センター福移支所
所在地 北海道札幌市北区篠路町福移156 電話番号 011-791-1811 ホームページ https://www.city.sapporo.jp/inuneko/ 業務時間 月~金曜/8:45~17:15
動物の見学や譲渡は10:00~16:30まで - 旭川市動物愛護センター「あにまある」
所在地 北海道旭川市7条通10 電話番号 0166-25-5271 ホームページ http://www1.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/eiseikensa/Animaal_HP/index.html 業務時間 月~金曜/8:45~17:15
保護犬や保護猫の見学時間は10:00~12:00と13:00~15:00
- 札幌市動物管理センター福移支所
- 青森県動物愛護センター
所在地 青森市大字宮田字玉水119-1 電話番号 017-726-6100 ホームページ http://www.aomori-animal.jp/ 業務時間 10:00~16:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日) - 秋田県動物管理センター「ワンニャピアあきた」
所在地 秋田県 秋田市 雄和椿川字奥椿岱1番地 電話番号 018-827-5051 ホームページ https://wannyapia.akita.jp/ 業務時間 月~金曜/8:45~17:15
譲渡犬猫展示時間9:30~15:00 - 岩手県動物愛護管理 環境生活部 県民くらしの安全課 食の安全安心担当(岩手県動物愛護センターの設立を構想中)
所在地 岩手県盛岡市内丸10-1 電話番号 019-629-5322 ホームページ https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/anzenanshin/pet/index.html 業務時間 10:00~16:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日) - 福島県動物愛護センター「ハピまるふくしま」
所在地 福島県田村郡三春町大字上舞木字向田17 電話番号 024-953-6400 ホームページ https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21620a/ 業務時間 月~土曜(祝祭日除く)/8:30~17:15 - 宮城県動物愛護センター
所在地 宮城県富谷市明石下向田69-4 電話番号 022-358-7888愛護班 ホームページ https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/doubutuaigo/ 業務時間 月、水、木、金曜日
10:00~15:00休館日
毎週:火、土、日
祝祭日、国民の休日
年末年始(12月29日~翌年1月3日) - 山形県健康医療部動物愛護センター
所在地 山形市大字船町1030-1 電話番号 023-681-1210 ホームページ https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kakuka/kenkoiryo/doubutsuaigo/ 業務時間 月~金曜(祝祭日除く)/8:30~17:15
- 青森県動物愛護センター
- 富山県動物管理センター
所在地 富山県中新川郡立山町利田 電話番号 076-462-3467 ホームページ http://www.pref.toyama.jp/sections/1207/doubutsuaigo/index.html 業務時間 8:30~17:00
休館日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始 - 新潟県動物愛護センター
所在地 新潟県長岡市関原町1丁目2663-6 電話番号 0258-21-5501 ホームページ https://www.pref.niigata.lg.jp/site/da-top/ 業務時間 月~金曜/8:30~17:15 - いくとぴあ食花動物ふれあいセンター
所在地 新潟市中央区清五郎345番地1 電話番号 025-283-1192 ホームページ http://www.ikutopia.com/ 業務時間 9:00~17:00
休館日:カレンダー参照 - 石川県ペット・動物愛護
所在地 石川県金沢市鞍月1丁目1番地 電話番号 076-225-1443 ホームページ https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kurashi/seikatsu/pet/index.html 業務時間 月~金曜/8:30~17:15 - 金沢市保健所 衛生指導課 動物愛護管理センター
所在地 石川県金沢市才田町戊370−2 電話番号 076-258-9070 ホームページ https://www4.city.kanazawa.lg.jp/23036/pet/pet.html
- 富山県動物管理センター