今回紹介するサプリメントは必ず必要というわけではありません。サプリメントとはドッグフードをあまり食べなくなったり、食事で摂りづらい栄養を補助するためのものです。また、人間用のものは犬に悪影響を与える場合もあります。もしサプリメントを与える場合は必ず犬用のものを与えてください。
犬の老化予防対策
コエンザイムQ10
コエンザイムQ10の効果・作用は?
抗酸化作用があり免疫力を高め細胞の老化抑制作用が期待できます。
コエンザイムQ10の摂取量は?
1日あたり体重×2-20mg。一度に大量摂取してもあまり意味がなく副作用が出る場合もあります。一日2-3回に分けて、数時間おきに与えてください。
コエンザイムQ10の副作用は?
毒性はないとされていますが大量に摂取すると吐き気などの症状が現れます。
EPA・DHA
EPA・DHAの効果・作用は?
EPAとDHAは魚に含まれる不飽和脂肪酸の一種。血液をサラサラにしたり脳の活性化にも期待できます。
EPA・DHAの摂取量は?
週に2回程度で十分です。サプリメントによってEPAとDHAの配合割合が変わってきますので商品に記載の推奨摂取量を守るようにしてください。魚系のドッグフードにはEPA・DHAは含まれているので過剰摂取にならないように注意が必要です。
EPA・DHAの副作用は?
過剰に摂取し続けると免疫機能障害(病気にかかりやすくなる)を引き起こすことがあるとされています。また魚油にアレルギーがある場合はフラックスシードオイル(亜麻仁油)が利用できます。
犬の関節の老化対策
今のところ、関節の老化対策におススメできるサプリメントはありません。関節痛といえば巷ではグルコサミン・コンドロイチンが有名ですが、グルコサミンは甲殻類に多く含まれるアミノ酸の一種。コンドロイチンは加齢とともに減少する水溶性食物繊維のひとつ。どちらも関節の軟骨内に存在していることから関節を柔軟に動かすために重要な役割を持っているとされています。ただし、サプリメントとしての効果効能は科学的根拠が乏しくおすすめできるものはありません。
犬の視力の老化対策
βカロテン
ベータカロテンの効果・作用は?
猫に効果はありませんが、犬の場合は体内でビタミンAに変換されるため、目の老化予防やドライアイの抑制に効果が期待できます。また抗酸化作用も認められており、がんや心臓病の予防、悪玉コレステロールの抑制作用があると言われています。
ベータカロテンの摂取量は?
1日あたり体重×0~5mg
ベータカロテンの副作用は?
今のところ重大な副作用があるという報告は見当たりません。体内で必要量だけがビタミンAに変換されるため過剰摂取という概念はありません。
ルテイン
ルテインの効果・作用は?
目の黄斑日色素成分。ブルーベリーに多く含まれる栄養素で高い抗酸化作用と黄斑細胞に対する保護作用が報告されています。
ルテインの摂取量は?
1日あたり体重×0.1~0.3mg
ルテインの副作用は?
特に報告されていません。
犬の免疫力アップ
アガリスク
アガリスクの効果・作用は?
ブラジル原産のキノコです。βグルカンが免疫力を高めます。いくつかの臨床実験で病気の症状が軽症なほどその効果は認められているため、がん予防などの効果が期待できます。
アガリスクの摂取量は?
商品によって配合比率が違うため推奨量を守って与えてください。
アガリスクの副作用は?
犬の体質に合わない場合は発疹が出たり下痢になる場合があります。キノコアレルギーがある場合は必ず獣医に相談してください。
プロポリス
プロポリスの効果・作用は?
プロポリスの主要成分であるフラボノイドには自然治癒力を高めるアミノ酸、ミネラルなどが多く含まれています。免疫力の向上や抗酸化作用が期待できます。また、プロポリス抽出液を直接塗布した場合に外耳炎、歯周病から細菌性の感染性疾患の抑制効果なども認められており、高い殺菌作用や高ウィルス作用が期待できます。
プロポリスの摂取量は?
商品によって濃度が違うため推奨量を守って与えてください。
プロポリスの副作用は?
特に報告されていません。もともとミツバチから採取した天然物質なので用法用量を守っていれば特に心配することはないでしょう。
(参考)
https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/ajvr.2000.61.886
https://www.yeaster.co.jp/d/pdf/dog.pdf
http://www.civtedu.org/uploads/41572/ufiles/News/Propolis_in_Dogs_Clinical_Experiences_and_Perspectives_A_Brief_Review.pdf